花見について知ろう|今では当たり前の花見の由来知ってますか?

花見

桜の開花宣言が行われると日本各地で花見が行われます。この花見は、もとは春の農事に先立って、花の下で神酒を供え豊作を祈願したのがはじまりとされています。奈良時代では中国から梅の花が伝わり、梅を観賞するのが花見でした。それが平安時代に桜へと人気が移り、以来花見といえば桜の花となりました。

歴史に残る醍醐の花見

1598年の春に豊臣秀吉が京都の醍醐寺で催した花見は、諸大名ら約1300人を従えて盛大に行われ、「醍醐の花見」として記録に残っています。これにちなみ現在でも、醍醐寺では毎年4月の第2日曜日にコ豆太閤花見行列」を催しています。

奈良から江戸に移った桜

江戸時代、徳川家光は奈良吉野山の桜を上野に移植させ、上野を桜の名所にしました。さらに八代将軍吉宗は、飛鳥山や隅田川堤など多くの場所に桜を植える政策をとり、江戸に桜の名所をたくさん作りました。これにより、江戸庶民にも桜の花見を楽しむ習慣が広まりました。

桜という名前の由来

桜の語源については諸説ありますが、『古事記』や『日本書紀』に登場する「コノハナノサクヤヒメ」(此花之佐久夜姫)という美しい姫の「サクヤ」が「サクラ」の語源という説があります。

花見団子

江戸時代から花見の定番となっている花見団子。中に刺さった3色団子の、ピンクは春の桜を、白は去りゆく冬の雪を、緑はこれからくる夏を表しています。

花より団子

花見団子からできたことわざ。風流に花を見るよりも、お腹のたしになる団子を食べるほうを好むということから、外観よりも実益を選ぶという意味です。風流のわからない人を批判するときにも使います。

花見をしている桜の種類知ってますか?

染井吉野(ソメイヨシノ)
日本の代表的な桜。染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋さんが品種改良して広めた。

山桜
日本の野生の桜として知られ、奈良の吉野山の山桜は有名。花と若葉が同時に現れる。

大島桜(オオシマザクラ)
伊豆諸島に多く見られる野生種。桜餅を包む葉はこの大島桜の葉を塩漬けにしたもの。

江戸彼岸
彼岸頃に花を咲かせることからこの名がついた。桜の中でも長寿の種で樹齢が長い。

寒桜
暖かいところでは1月から淡紅色の花が咲きはじめる。

枝垂桜
枝を長く垂れ下げるのが特徴で、花の色が淡いものと、赤みが強い紅枝垂桜がある。