お盆とは?|お盆休みの期間と行事のマナー

お盆・お盆休み

お盆の正式名称は「孟蘭盆経」といいます。
先祖の霊を供養する行事です。「孟蘭盆経」という仏教の経典の伝説に出来しています。それは、釈迦の弟子の目蓮が餓鬼道に堕ちた亡き母を救うために、7月15日に僧侶たちを招いて供養したというもの。

日本には7世紀に伝わり、もともとあった祖霊祭祀と結びついた行事となりました。

精霊棚と供え物

精霊棚は盆棚とも呼ばれる、位牌を並べて供え物をする棚です。
地域によつて違いがあるものの、棚や台にマコモで編んだゴザを敷き、位牌、生花や供え物、「ナスの牛」や「キュウリの馬」などを並べます。

「ナスの牛」と「キュウリの馬」

ナスとキュウリに、麻幹や割り箸をさして、牛や馬に見立てます。これは、先祖の霊が早足の「キュウリの馬」に乗って、早くこの世に着くように、足の遅い「ナスの牛」に乗って、ゆっくりあの世へ戻るように、という願いからといわれています。

「迎え火」と「送り火」

お盆の入りにあたる13日の夕方、門前や玄関口で麻幹や稲わらを燃やして火を焚きます。先祖の霊は煙に乗って家に入るといわれています。また、お盆が明ける16日の夕方には、迎え火と同じように火を焚いて先祖の霊を送り出す「送り火」をします。

お盆飾りの飾り方や言い伝え

盆提灯
軒先に盆提灯を飾っておくと、先祖の霊が迷わず家に帰ってくる目印になります。

麻幹の効用
迎え火や送り火に使う麻幹をタンスに入れておくと、湿気対策になり、衣服に困らないといういい伝えもあります

盆花
ほおずきや萩、枯梗などの精霊棚に供える花を玄関先にも飾って、先祖の霊を迎えます。

お盆の日程を知ろう・以外と知らないお盆の行事一覧

お盆は地域によっても違いますが、7月13日~16日や
8月13日~16日に行うところが一般的です。

1日
7月1日を「釜蓋朔日」と呼び、地獄の釜の蓋が開いて精霊たちが戻ってくる時期が来たことを表しています。盆提灯を吊るし、お盆を迎える準備をはじめます。

7日
「七日盆Jと呼び、盆入りする地方もあります。盆棚の飾りつけをしたり、お墓や仏壇の掃除をはじめます。

12日
「草市」「草の市J「盆市」「花市」などと呼ばれる、お盆の仕度に必要なものを売る露店が出ます。最近は、花屋さんや八百屋さんの軒先で売られることが多いようです。お供え物や盆花、ロウソクなどを用意します。

13日
仏壇より位牌を精霊棚に移し、お供え物をします。お墓参りをして盆提灯に火を灯して帰ります。門前などで迎え火を焚き、先祖の霊を迎え入れます。お盆の期間は、精霊棚に食事を供えます。

14〜15日
灯明を絶やさないようにし、朝、昼、夕の3度の食事は家族と同じものを供えます。親戚の家の盆棚にお参りします。

16日
精霊は午前中まで家にいるとされ、食事などのお供え物をします。夕方に送り火を焚いて、先祖の霊を送り出します。15日の夕方や16日の朝行う地方もあります。お供え物や舟を川や海に流す「精霊流し」や「灯籠流し」を行う地方もあります。

仏壇の歴史

『日本書紀』には「天武天皇が家ごとに仏像や経典を祀る仏舎をつくるよう命じた」とあり、これが日本の仏壇のはじまりとされます。現存する最古の仏壇は、法隆寺にある国宝の「玉虫厨子」です。庶民に仏壇が広まったのは、江戸中期にはじまった檀家制度により、仏教と先祖供養が結びついたためといわれています。