針仕事とをする人にとって大事な針供養とお作法

針仕事と針供養

針を使う仕事は、土日は女の人の大切な仕事でした。針供養はそんな中で生まれた行事です。
明治時代の中ごろまでは家庭でも大切な行事だったようですが、わたしが子どものころには今と同じように、 一部の神社や洋裁学校で行われているのをテレビでなんとなく見かけたくらいの知名度になっていたような気がします。

基本の縫いかたの練習を「運針」といい、昔は学校でも授業に取りいれられていました。以前は苦手だった裁縫ですが、子どもが生まれてからは、学校用品などを縫う機会も増えました。今考えてみると、単調な作業を繰り返しせんさい根気よく続けることが必要な「縫いもの」をすることは、心の強さや集中力、繊細さを育てるいいチャンスなのではないかと思います。

針供養は、折れたりさびたりした針をこんにゃくや豆腐などの柔らかいものに刺して休ませて供養します。同時に針への感謝の気持ちと裁縫の上達をお祈りします。最近はパッチワークや刺し子、 ハワイアンキルトなどを楽しむ人が増えているそうですが、手仕事を大切にする気持ちを思いだすにはいい機会かもしれません。無心に手を動かすことで心が落ちつき、静かな時間を過ごすことができます。